ダクト屋スーさん

 私の日課は、出勤がてらのゴミ捨て！ 
今ではもう習慣がついたせいか、「生ゴミの重さは家族の重さ！」と感じる。
それに家族団欒を思い浮かべ、朝の寒さも忘れ心が暖まり、仕事にもやる気がみなぎる。 
先日、ふとゴミ袋を見るとなにやら赤い物が目に入った。 
海老のしっぽだ!!!
しかも大きい！
さらにゴミ袋をゆすると、なんと蟹の足、そしてメロンの皮がゴミ袋を透かして目に入った。 
私は立ち止まった・・・
最近物忘れが気になる私ではあるが、それらを食べた記憶がない！
それにこんなに贅沢な物を食べたら、絶対に忘れる事などない！ 
そうだ！俺がいない時に食べたにちがいない！ 
私はゴミ袋を強く握りしめ、携帯を開いた。
俺は何をしようとしているんだ！
いけない！
俺は父親なんだ！家族の喜ぶ事が私の喜びだ！ 
自分に何度も言い聞かせた。
しかし・・・しかし・・・
ジャンボ海老フライをおもいきりかぶりつく妻の姿。
蟹をチューチューと吸う娘達の姿。
そんな姿が、次から次へと頭の中をグルグルまわる。
喜びどころか燃えたぎる悔しさが・・・ 
私は決して食べたかった訳ではない！
ただ・・・
ただなんで食べたとの報告を誰もしてくれなかったのか・・・
ただそれだけ・・・
悲しすぎる～　(>_<)
何故だ???何故なんだぁ～???
私の足元を冷たい風が過ぎ去っていった・・・
本日の風は、やけに冷たさを感じた・・・